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夕方、首都アンタナナリボ市内の大通りを
歩いていたときのこと。
パスポートもお金も入った
ウエストポーチを夫が肩からさげ、脇の下で挟むようにして
歩いていました。私は夫の少し後を歩いていたのですが、
突然夫が日本語で「ドロボー」と叫ぶのを聞いて、はっと前方を
みると、10歳くらいの男の子が主人のポーチをつかんで
走って行きます。
私はこういうときとっさに声が出ないんですが、
夫は「ドロボー」と叫びながらその子を追いかけて走っていきます。
ああ、もう間に合わないと思った矢先、騒ぎを聞きつけた
現地の屋台のおじさんが機転をきかして、ぱっとその子の前に足を
出して転ばしてくれたんです。
男の子はポーチを投げ捨てて
逃げ去っていきました。すんでのところで大変なことになるところ
でした。
なぜウエストポーチを肩からさげていたのかと言うと、その少し前、
数人の物乞いの子供たちに
付きまとわれ、気がつくとポーチの口が少し開いていたからなのです。
夫が気配に気づき、その時は何も取られませんでしたが、不安なので
肩からさげたほうがかえって安全かもしれないと考えたのです。
でも、このとき二人ともものすごく疲れていて、注意も散漫になって
いたんですよね。その隙をつかれた、という感じです。
ひょっとすると、
前の物乞いの子供たちとその男の子は、グルだったのかも
しれませんね。
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