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ドイツ・オーストリアの美術館

2005年8月、ベルリンの美術館は再編途上にあり、「旧ナショナル・ギャラリー」「新ナショナル・ギャラリー」「ハンブルク駅現代美術館」は閉館中でした。

[2006/9/30]「ウィーンの美術史博物館」に追記

【ミュンヘンのアルテ・ピナコテーク】 5点

ドイツ観光の中心はバイエルン。ドイツの他の地方と比べて気候が温暖で雰囲気が明るい。特に首都ミュンヘンは楽しい町である。

これは2回行っている数少ない美術館の一つ。

「アルテ」は「古い」、「ピナコテーク」は「絵画館」の意。だから宗教画が多いのだが、なぜかここのは肌が合った。それどころか、ここを見たおかげで宗教画に対するアレルギーが完全に払拭された。遠近法が発見される以前の古い絵画が中心。金箔を用いたりして装飾的なところがかえって日本人の感覚に合うのだろうか。

また、ここのルーベンスの作品も気に入った。ルーブルにある仰々しい王妃マリー・ド・メディシスの肖像画なんかよりもずっといい。

【ドレスデンのツヴィンガー宮殿内の絵画館(アルテ・マイスター)】 5点

「アルテ・マイスター」とは「古い巨匠」ということ。その名のとおり、ここにあるのはルーベンス、レンブラント、ティントレット、ラファエロ、クラナッハ、デューラー、フェルメール等々、古くて重厚な作品ばかり。当然、宗教画の比率が高いから、その方面に興味が無いと、疲れるだけかもしれない。でも、ここで鑑賞して欲しいのは、作品だけではない。そのいれもの、すなわち建物が素晴らしいのである。この美術館の建物の重厚さあってこそ、重厚な作品群の魅力が存分に引き出されるのだと思う。

2階中央のホールから左右を見渡したとき、私は息を呑んだ。どっしりとした木の扉の向こうに見える部屋の壁の暖かい色合い、ちらりと見えるマイスターたちの作品の連なり。この光景自体がすでに1つの芸術作品である。ここに展示されている作品たちは幸せ者だ。

【ベルリンのペルガモン博物館】 4点

これは「博物館」なのですが、大目に見てください。

ベルリンの壁が崩れたのを見て、「うかうかしていると東ドイツがなくなっちゃう!」と大慌てでベルリンに行ったのは1990年夏。もはや東ドイツは書類上にしか存在しないという不思議な時期だったので、ベルリンの空気は実にみょうちきりんなワヤワヤとした感じだった。

この美術館は東ベルリンにある。すでに東西の行き来が自由になっていたのに、東側はまだ社会主義物価のままだったので、入場料がたったの1.05マルクだった。今だったら10倍くらいするんじゃないかと思う。( ほんと、今は高いよ!!)←ふゆき

ここには遅れてきた大国・ドイツがイギリスやフランスのまねをして、外国から分捕ってきたものが展示されている。 それはトルコにあったペルガモン神殿まるごとである。こりゃあ迫力あるよ。 「どうだ!わがドイツ帝国もすごいだろう!」という感じがみなぎっている。

他にバビロニアから分捕ってきたのもある。青い壁がとても美しかった。

それにしてもこんなに重たいものをよく運んできたものだ。 ご苦労さん。でも捕られた方は今もきっと怒っていることだろう。(でもイラクにあったままだったら空爆で破壊されているかもしれないから、こっちに展示されていて良かったのかも・・・おっとこれは問題発言。見なかったことにしてね。

本当は5点にしてもおかしくないのだが、広くてへとへとになったのでマイナス1点。

以下は遺跡オタク・ふゆきのコメントです。

トルコのホントのベルガマ(ペルガモン)に行くと、神殿のあった所には大きな木が2本はえています。
ドイツ人が掘っているから小奇麗なの♪
イラクは遺跡たっぷりだから、早く平和にならないかなぁ。

【ベルリンの文化フォーラム内の絵画館】 4点

ここはおそらくパリのルーブルの向こうをはって、古い作品をまとめて収蔵することにしたのだろう。

私は古い作品は嫌いではない。でも、ここは同じ程度に古い絵が多い上に、宗教画の比率が高すぎる(6割?いや、7割以上かも)ので、さすがに飽きてくる。だから、フェルメールに出会えたときの感動はひとしおだった。フェルメールは(もともと好きだし)宗教臭ゼロだから。

しかもこの美術館、非常に大きいのである。私は後半、かなり疲労し、楽しむどころではなかった。

でも、同じ題材の絵(例えば「聖母子像」とか)ばかり山ほど見ていると、思い切り気を抜いていても、他の作品とは違う輝きを持つ作品というのは、自然に目にとまるようになってくる。そういう作品だけ、そばに寄って作者名を確認すると、メムリンクだったりフィリッポ・リッピだったり。やっぱり「巨匠の中の巨匠」というのは、どこか違うのだなと感心した。

【ベルリンの新ナショナル・ギャラリー】 4点

この点数は甘いかなあ。建物がとてもモダンだったのにまず驚いた。

展示の中ではベックリンという人の「死の島」という絵が印象的だった。

たぶんここの作品の多くは「ドイツ表現主義 (expressionism)」の絵画なのではないかと思うが、ドイツ美術のことはあまり詳しくないので自信がない。なんとなく不気味な作品がいくつもあって、私にはものめずらしかった。前衛的なインスタレーションも面白かった。

*   *   *   *   *   *   *

[2000年3月14日]
東西ドイツの統合(すなわち東西ベルリンの統合)後、ベルリンの美術館の収蔵品はいろいろ移動があったようです。ベックリンの「死の島」もご多分にもれず、現在は旧東ベルリンの美術館島にある「旧ナショナル・ギャラリー」蔵となっているそうです。

このことを教えてくださったのは浅野魔夢さんです。浅野さんの「『死の島』を巡る美術館の旅」は美術ファン必読必見。こちらのサイトのここです。

【ドレスデンのアルベルティーヌム(ノイエ・マイスター)】 3.5点

「ノイエ・マイスター」とは「新しい巨匠」のこと。ここには19世紀以降の絵画のギャラリー。有名どころとしては、マネ、モネ、ゴッホ、ドガ、ロダン、ゴッホ、ゴーギャン等々、印象派の作品があるのだが、これらの作品が全体に占める割合は4分の1ぐらい。これを多いとみるか、少ないとみるか。

現代芸術もあるのだが、旧東ドイツのものが主流で、なにやら真面目な雰囲気。どちらかというと現代芸術にスッコーンと突き抜けた明るさを求める私には、あまり合わなかったのでした。

【ミュンヘンのノイエ・ピナコテーク】 3点

アルテ・ピナコテークの隣にある。
「ノイエ」は「新しい」の意。だから近代絵画が中心。

ドイツで知り合ったイタリア人のルチアはこの美術館が大好きだと言っていたが、私にはあまり面白くなかった。ここにある作品と同じ系統のもっと優れた作品をすでにフランスで見てしまっていたからかもしれない。逆に、宗教画なんて山ほどあるイタリアから来た彼女の方は、アルテにあるような作品など見飽きていて、ノイエに感激したのかもしれない。

こう考えると、個人の美術館批評とか点数なんてまったく意味がないということがはっきりしてくる。もっとも、最初からこんなことはわかりきっていたのだが。

こういうときは日記の引用でごまかすに限る・・・<ここの印象主義の作品はある意味で interesting である。アルテ・ピナコテークで宗教画に親しんだ目には、印象主義の絵は落書きにしか見えない。 当時の批評家たちがなぜ印象主義を酷評したのかわかる気がする。>

へーっ、けっこう面白いこと書いてるじゃないの!(おいおい、自分で感心してどうする!)

シュトゥットガルト州立絵画館】 3点

シュトゥットガルトは工業都市。観光的にはそれほど名高いところではないのだが、思いのほか自然と溶け合った爽やかで美しい町だった。

ここの美術館は一風変わった感じだなあと思ったら、パリのポンピドー・センターと設計者が同一人物なのだそうだ。

建物同様、展示作品も新しいものが中心だった(ような気がする)。あんまり良く覚えていないのですみません。

【ウィーンのベルベデーレ宮殿内のギャラリー】 3点

クリムトの絵があるというので行ってみた。確かにかの有名な「接吻」があったが、ちょっと期待はずれ。

だってクリムトは小さな部屋一つだけしかないんだもん。

意外だったのは、彼の画風が実にバラエティに富み、印象主義と見紛う作品さえあったこと。 クリムト独特のあのよく知られた装飾的なスタイルは、彼の生涯のほんの一時期の作品に限られるようだ。

【ウィーンの美術史博物館】 3点

「博物館」という名前だがこれは紛れもなく美術館。 ヨーロッパの美術館の五指だかなんかに入るというので楽しみにして行ったのに、なんだかすすけた雰囲気でがっかりしてしまった。

ここの目玉はブリューゲルである。「バベルの塔」など、有名な作品がたくさんある。でもブリューゲルの絵というのは実物も、写真で見るのとあまり差がないような印象を受けた。 ひょっとしたら、 自宅にあった画集を見すぎてしまっていたのかもしれない。

この美術館ばかりでなく、ウィーンという町自体、すす払いが必要であるように見えた。せっかくハプスブルク家の遺産が山ほどあるのだから、その魅力をもっと生かす努力をするべきだ。私が行ったのは10年以上前のことなので、その後変わったかもしれないが。

[2006/10/1追記]今年5月にウィーンに行かれたふるきさんによると、ここ数年続いていた煤払いが終了し、街が明るくきれいになったとのことです。

番外編

【ドレスデンの王宮の「緑の丸天井」

これは以前はアルベルティーヌムにあったのですが、今は王宮に移されています。

美術館ではないけれど、ドレスデンで何か1つだけ見るとしたら、間違いなくこれ。 なぜ「緑の丸天井」というのかはわからないけれど、ザクセン王家の金銀財宝のコレクションのことを指します。
その絢爛豪華さに目が点、口がポカンとすること必至。ザクセン王家って、なんでこんなに金持ちだったの?!  これでもかというほどたくさんあって、後半は感覚が麻痺してしまうのが唯一の欠点かも(苦笑)。もちろん点数は5点満点

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