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オランダの美術館

"Museum yearly card"を携えての「オランダ美術の旅」はお勧めです。

【デン・ハーグのマウリッツハイス美術館】 5点

見るからに落ち着きを感じさせる、こじんまりした建物だが、実は中味が濃い、という私が最も好きなタイプの美術館。充実した時を過ごすことができ、かつ、見終わってもそれほど疲労していなかった。

ここでは何が何でもフェルメールの「青いターバンの少女(真珠の耳飾りの少女)」を見なければならないのである。あのうるんだ瞳に見つめられたら、同性でもドキっとすることうけあい。

「デルフトの風景」という絵も有名。こちらは町の遠景を描いたごく小さな作品。正直言って私には地味すぎて、何がいいのかあんまり良くわからなかった。。。

[2001年8月]
再訪してみて、つくづく良い美術館だと思った("Museum Yearly Card"がないと入場料の高さに驚くけど)。 そして「デルフトの風景」、これも良かった。ライスダールのような「風景画家」とは一味違う、フェルメール独自の世界を感じた。

【アーネムのクレラー・ミュラー美術館】 5点

交通至便なオランダにあって、この美術館だけはちょっと行きにくい。 でも頑張って行ったらその苦労は十分に報われるだろう。

この美術館は結局「箱根彫刻の森美術館」みたいなものなのである。もちろん違いはある。どこが違うかというと

絵画コレクションが「彫刻の森」とは比べ物にならない。
19世紀後半の作品の宝庫である。特にゴッホの作品がすごい。質量ともにゴッホ美術館のそれに劣らない。そんな中に北部ルネッサンスの巨匠クラナッハの「ビーナスと蜜を盗んだキューピッド」(なんと1400年代の作品なのだ!)なんかがさりげなくあったりする。

屋外の展示は森が主役である。作品が広大な森の中に完全にとけこんでいる。
「彫刻の森」の方が良く言えば密度が濃い。(というか過密。)
そして、森の中をのんびり歩いていると、なぜか「お地蔵さん」に出くわしたりする。おやまあ、こんなところでお目にかかれるとは!お懐かしゅうございます。

ガイドブックやパンフレットに必ず載っている白黒の巨大な造形物はデュビュフェのJardin d'enfant(子供の庭)という作品である。この作品は自由に上に上れる。が、私は真夏の太陽の照り返しによるすさまじい熱さに負けて、早々に退散してしまった。しかし、裸になった小さい坊やが、実に嬉しそうにいつまでも走りまわっていたところを見ると、ひょっとしてこれは大傑作なのかも。

【ロッテルダムのボイマンス・ファン・ベーニンゲン美術館】 5点

現代のよくわからない作家に広くスペースをとってあって、最初はまごついたが、探してみると・・・あった、あった。思いきり古いのがたくさん。

シエナ派なんかを目にすると、まるでイタリアに戻ったみたいな懐かしい気分。他にもルーベンス、ドラクロワ、グレコなどの佳品がひっそりと目立たないようにある。そうかと思うと、新しい人(マグリット、ダリなど)も揃っている。たいしたもんだ。

【アムステルダムの国立博物館】 5点

「博物館」と訳されているが、美術館とみてさしつかえないだろう。
絵画コーナーを見つけるのに手間取り、はからずもいろいろ見てしまった。

日記を引用しよう。
<陶磁器コーナーでは、日本の柿右衛門や有田が一目で見分けられるのに、我ながら驚いてしまった。デルフトの職人が一生懸命真似しても、明らかに違うのだ。特に花の描き方が違う。家具コーナーでも日本の家具はすぐにわかった。>
日本の作品に関しては日本人が世界一の目利きなのだという事実は、私にとって一大発見だった。

さて、絵画コーナーで最も有名なのはレンブラントの「夜警」である。私は実を言うと、画集で見たこの絵をあまり賞味していなかったのだが・・・

<独特で印象的な絵だ。画集で見るよりずっといい。大きさがいい。そして思っていたよりも明るさを感じさせる絵だ。>・・・というふうに、素直に感動したのであった。

アムステルダムのゴッホ美術館】 4.5点

ここはものすごく混んでいた。なおかつ「日本人密度」が異様に高い。

ゴッホは好き。でも彼の「濃い」絵ばかりがずらりと並ぶと、ものすごい迫力である。息苦しくなってくる。正直なところ、他の画家のもっと「薄い」絵で息抜きができたら、もっと楽しめるのではないか?なんて思ってしまう。

ゴッホがパリやアルルで新しい息吹にふれた頃の作品が気に入った。浮世絵の模写もいい。それ以外にもジャポニズムの影響を受けたとおぼしき構図の作品が目につく。ニッポン人としてはけっこう嬉しくなってしまう。どんなもんだい。世界のゴッホが日本の芸術をこんなに一生懸命学んだのだゾ。

ゴッホの死後、彼の弟テオに送られたお悔やみ状が展示されている。どれもみな、もっともらしいお悔やみを述べているが、本当に悲しんだ人なんて果たして何人いたのだろう?

満点でない理由は、「混みすぎていた」という一語に尽きる。

【アムステルダム市立近代美術館】 4点

これはどちらかと言うとマイナーな美術館。 パリ市立美術館同様、特別展のスペースの方が大きいのかもしれない。日記にもロシアの前衛芸術の特別展のことばかりで、他のことはあまり詳しく書いていない。

しかし、ここで出会ったピカソ・シャガール・モンドリアンは新鮮に写ったようだ。<具象画に少し疲れてきたところだったので、抽象画が快い。今まではどこがいいのかわからなかったモンドリアンの格子模様が、今日はとても美しく見えた。>とある。

具象画に偏っているアムスの美術館の中で、この美術館は貴重な存在であるといえる。

【ハーレムのフランツ・ハルス美術館】 4点

ハーレムはアムスから電車で15分。落ち着いたいい町である。ここをオランダ旅行の本拠地にするのもいいかもしれない。

フランツ・ハルスは人気のある肖像画家だった。「ナントカ組合の理事たち」みたいな集団の肖像画が多い。

正直言って、この画家には大して興味をもっていなかったのだが、ここで作品を見て、目からウロコが落ちる思いをした。金勘定をしている様子を描いた肖像画が多い。世界を股にかけて活躍していた当時のオランダ商人たちの、生き生きとした暮らしぶりが肌で感じられる。みんな、さぞかしよく働いて、さぞかしたんまり稼いでいたのだろうな。

レンブラントやゴッホだけではわからない、オランダの歴史の1ページを見ることができる点で、この美術館はお勧めである。 ものすごく期待していくとがっかりするかもしれない。でもハーレムの町歩きの折りに気軽に訪ねてみてほしい。

【アムステルダムのレンブラント美術館】 3.5点

これは現代のアムス町並みの中で1軒だけ残された古い建物である。それ自体がすでに、みものであると言えよう。

ここにはレンブラントのエッチングがたくさんある。エッチングって、小さいんだなあ。。。とにかく目が疲れたという記憶のみ。 私はもう少し大きい作品の方が好きだ。

【ライデン市立美術館】 3.5点

Museum Yearly Cardでも持っていない限り、普通はこんなところにまで足を運ばないだろう。

実はここの前にライデン民俗博物館に行ったのだ。かのシーボルトゆかりの博物館ということで、日本コーナーを見たくて行ったのだが、アジア関係のほとんどはインドネシアのものばかり。日本コーナーはほんの1部屋だった。(少なくとも当時はね。今はもっと増えているかもしれない。)がっかりした。

その後に行ったのがこの美術館だった。 ここには余り有名な作品はないが、民俗博物館で「詐欺にあった」後だったので、とても楽しく見られた。比較的有名どころではヤン・ステーンが数点。レンブラントは初期の作品が1点あった。

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