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イタリアの美術館

フランスは美術館の国です。
でも、イタリアは美術の国だったのです。
イタリアに関して、美術館だけを取り出して論じるのは無理なことだったのです。
今になって気づくなんて我ながらバカでした。
でも乗りかかった船、今さらやめるのも悔しいから続けます。
まずはフィレンツェから。

フィレンツェの美術館

ウフィツィ美術館】 5点

ご存知、イタリア・ルネッサンス美術の宝庫である。

「歩き方」にも書いてあったと思うが、ここには気合を入れて朝一番に行くべきである。私も開館前から並んで入った。

この美術館でルネサンスの傑作に出会ってからというもの、私の目には近代美術、特に印象主義が色あせて映るようになってしまった。 特に、ボッティチェルリの「春」と「ビーナスの誕生」が並ぶ部屋は圧巻。そこだけ高貴な光が射しているように見えたほどだ。

以下は日記の引用・・・ <レオナルド・ダ・ヴィンチの「受胎告知」は画集で見たことがあったが、こんなにいい絵だとは思っていなかった。マリアの衣服の描き方は並ではない。 フィリッポ・リッピの「聖母子像」もいい。ボッティチェルリの「受胎告知」は劇的だ。イタリア絵画だけでなく、デューラーなど、北の国々の画家の作品もたくさんあったので驚いた。>・・・ふむふむ。

<空調が効いていたので涼しくて良かった>・・・これが天下のウフィツイに対するコメントのまとめなのか!?

【サン・マルコ修道院】 5点

昔の修道院がそのまま美術館になっている。
収蔵作品はすべて修道僧フラ・アンジェリコの手になるもの。ここの作品は絶対に日本には来ない。なぜって、修道院の壁に彼が描いたフレスコ画なのだから。

いきなり有名な「受胎告知」が登場する。いわゆる「美術館」だったら、メインの部屋にどーんと麗々しく展示されているところなのだが、ここでは壁ごと場所を移動することもできないのでこういうことになってしまう。直射日光が当たっていて、損傷しないかと心配してしまった。

僧坊を一つ一つ見て歩く。 きっと仲間の修道士に「次は僕んとこを頼むぜ」とか「僕には十字架降下の図柄で描いてくれないか」とか言われてせっせと描いたんだろう。(んなわけないか。)

美しく彩られた中庭の廻廊も目を楽しませてくれる。廊下の奥の窓からはドゥオモの壮麗な姿が見える。フィレンツェの町の喧騒をよそに、フラ・アンジェリコは修道院の中で、ひたすら絵を描き、静かに生涯を終えたのだろう。

私は非常に満足したとみえる。日記に<これで入場料が6000リラ(当時)というのは良心的だ>などと書いてある。

【ドゥオモ美術館】 4点

ここに入る前に、ドゥオモを見ることになる。花の都フィレンツェの象徴であるこの大聖堂はとにかく美しい。いくら見ても見飽きないし、 中に入れば入ったで涼しいので最高である。(真夏のイタリアの旅は暑さとの戦いだったのである。)

さて美術館に入ろう。
<「マグダラのマリア」はあまり気に入らなかったが、「ロンダニーニのピエタ」には感動した。「天才」の存在を信じることができる。悲しみを抑制した表情は胸を打つ。>・・・なるほど。

<ただ、ここはけっこう暑い。>・・・またこれだ。

【銀器博物館】 4点

これは「博物館」だけれど許してね。展示品は美術品ばかりだし。

塩野七生の本の中に、ここにロレンツォ・イル・マニーフィコ(ロレンツォ豪華王)愛用のコップがあると書いてあったので楽しみにして行った。古代ローマ時代のお宝に、惜しげもなく MEDICI と彫らせたという珍品である。ものすごく思い入れを持って行ったくせに、実際に見てみたら、「あ、これなのね」と思っただけだった。

それよりも宝石類のコレクションに目を奪われた。バロック真珠を素材にしたアクセサリー類がすごかった。(欲しかった。。。)

【ヴェッキオ宮】 3点

ここに入ったとき、私は疲労困憊の極にあったようだ。
<歩いていたらヴェッキオ宮が目の前に。入らないわけにもいかない。けっこうきつかった>・・・うううっ・・・なんて可哀想な私。涙が出そうだ。本当にあのときは暑くてつらかったなあ。

それでもトスカーナ大公国の威光を十分に感じることができ、それなりに良かった。利口そうなマキアヴェッリの肖像画がさりげなくあったりして、塩野七生センセイの著作を読んでいった私を満足させてくれた。

【アカデミア美術館】 3点

開館前に行くと、すでにツアー客の列があったが、彼らはミケランジェロの「ダビデ像」だけを見て 消えていなくなった。

ところでその「ダビデ像」だが、その昔、世界史の教科書かなんかで、初めてそのハンサムなご尊顔を拝したてまつったとき、密かに胸ときめかせたものだった。でも本物にお目にかかったら、意外なほど大きくてマッチョな男だったのである。なんだか調子が狂ってしまった。

2階に上がってみたらほとんどひとけがなかった。それにキンキラの宗教画ばかりで、あまり私の好みには合わなかった。
<これで10000リラ(当時)は高い>ですって。私、怒ってる〜。

【バルジェッロ国立博物館】 3点

ごめん。「美術館」だとばっかり思っていたのに、「博物館」だった。
<ウフィツイと銀器博物館を見たあとでは地味である>・・・そうなのだ。 この美術館、モトイ、博物館だって、他の町にあったらもっと目立つ存在になれるだろう。 フィレンツェは他の美術館がすごすぎるのだ。

ここはその昔、監獄だったそうだが、その過去をしのばせつつも、なかなか美しい建物である。

ここでドナテッロ作の「ダビデ像」に会える。しなやかな少年の姿が魅力的だった。

【パラティーナ絵画館】 3点

<いろいろな名画を見た。ルーベンスまであった>・・・これじゃあ何がなんだかさっぱりわからない。

とにかく、この直前に見た「銀器博物館」の方がずっと面白かったことだけは確かだ。

番外編

【メディチ家礼拝堂】

宮殿や博物館ならともかく、礼拝堂を美術館の中に含めることには抵抗があるので、これは番外編とします。

これはすごかった。
ここにミケランジェロの傑作と呼ばれる彫刻作品があることは知っていたが、 それ以外にもいろいろあるのだ。色の異なる大理石を組み合わせたデザインが素晴らしく、全体に厳粛な雰囲気が満ちている。もちろん5点満点である。

<こことウフィツイは空調があってとても良かった>・・・またこれだ。

このページを作って、美術の国イタリアでの感動よりも、灼熱のイタリアでの憔悴感を新たにしてしまった私なのでした。

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