えせバックパッカーの旅日記
上海・杭州歩き倒し(2)

上海 : ホテルから外灘、そして浦江飯店へ

12月25日、日曜日。
このホテルは朝食込み。レストランに行くと、ビュッフェがずらりと並んでいた。 私は白粥を主食に、あくまでも中華料理を選んだのだが、相席になった中国人の中年夫婦は洋食ばかりとっている。人間ってそんなものなのね。

外灘から対岸を望む

8時過ぎに出かける。まず南京東路をひたすら東へ向かい、バンド(外灘)と呼ばれる黄浦江の岸辺に出た。そこで左折し、対岸の未来都市のような光景を横目に見ながら北上。 このあたりは早朝には太極拳をする人々がたくさんいると聞いていたのだが、今日は2人しかいなかった。単に冬のせいなのか、それとも寒波のせいなのか、はたまた年の瀬のせいなのか。

間もなく黄浦江の支流である蘇州河にぶつかった。外白渡橋の向こうには、新旧の建物が混在した不思議な景色が広がっている。 橋の左手にそびえ立つのは高級ホテル上海大厦。これは、内部は素敵なのかもしれないが、外見的には泊まりたい気にさせない建物だ。 私が今行こうとしているのは、右手の(上海大厦に比べると)こじんまりした建物、浦江飯店の方である。

橋の上から見た浦江飯店

浦江飯店はドミトリーがあるホテルとして全世界のバックパッカーによく知られた存在である。しかも歴史と伝統では上海で一番。 今回の上海行きに際して、ここに泊まったことがある複数の人に勧められて、杭州から帰ってきた後の上海2泊をここにしてみようと思い立った。ただ、ここは中国専門旅行サイト(たとえばエクスプロア上海。私が使ったのはMahoo!上海)から予約を入れることはできない。自分で電話なりファックスなりで手配しなくてはならないのだ。私は顔が見えない電話で外国語を喋るのは苦手だし、ファックスというのも送信に失敗したりして面倒臭い。それに、勧めてくれた人たちも、なんとはなしに、手放しで勧めるという感じではなかった。実際に自分の目で見てからにしよう。

そんな思いで大きなドアを開けた私の目に飛び込んできたのは、古びた広大なロビーだった。しかも非常に重厚。重厚という言葉はこのためにあるのではないかと思いたくなるほど重厚なのである 。

そのロビーを突っ切ってフロントに行き、英語で「28日と29日の2泊、部屋はありますか」と訊くと、「どういう部屋がいいのか?」と聞き返された。
どうする? 友人たちはドミもなかなかいいと言っていた。でもやっぱり1人でないとリラックスできないわと考え、「シングルを」と言うと、「1500元(=約22500円)の部屋が有る」と言う。
ええっ、それは1泊の料金なの? いくらなんでも高すぎる。
「では、ツインルームはいかがですか? ツインなら680元(=約10200円)です」
さすがクラシックホテルだけあって、ドミでないとけっこうなお値段だ。
でも、私は快諾した。
正直に言おう。私は一目見て、このホテルが好きになってしまったのだ。 ここに1万円で泊まれるのなら、文句は無かった。

・・・しかし、ツインより高いシングルというのはどんな部屋なんだろう?! 断る前に「見せてくれ」と言うべきだったかな。


浦江飯店から外灘を通って豫園へ

デポジット200元(=約3000円)を支払い、さっき渡った橋をまた渡る。川べりのテラスには、すでに中国人観光客がたくさん来ていて、嬉しそうに記念写真を撮ったりしている。 左手にある 黄浦江、向こう岸の未来都市(=浦東地区)、右手のクラシックなビル群を見渡しながら、南下する。ここを歩くのはなかなか気持ちがいい。ぼーっと過ごすのもいいだろうなと思う。が、今日は上海を歩き倒すつもり。ずんずん歩き続ける。

バンド(外灘)。 右手は旧市街
未来都市は左手の川の向こう岸

高速道路が重なっている延安東路を越したところに歩道橋があったので、 そこを渡り、一般道に降り、適当なところで左手に折れる。と、庶民的な商店街があり、 ど派手なクリスマスの装飾品などを売っていた。今日はもう12月25日なのに。いつまで売っているのだろう?

目指す豫園商場はすぐだった。いかにも「伝統的な中国」という感じの店が連なり、観光客がぞろぞろ歩いている。 東京で言えば、浅草みたいなところだ。巨大なクリスマスツリーが飾ってある。宗教的基盤なんか無しで「とりあえずクリスマスだ !」と浮かれてるこの雰囲気、日本人にはとてもわかりやすいものであり、親しみすら感じてしまう。

ここには南翔という有名店がある。そこの小龍包をぜひとも食べなくてはならないので、店を見つけると即、テイクアウトの列の後ろについた。ところがこの列が一向に進まない。何があったのかと思ったら、蒸し上がるまで時間がかかるのだ。 蒸し上がると、列がどんどん進むのだが、 いったん進みがとまったら、20分ぐらいじっと待たなければならない。

結局、小龍包16元(=約240円)を手にしたのは、並び始めてから40分後だった。 発泡スチロールの深皿に入れられた小龍包は10個以上あり、それをふうふうしながら食べただけで、十分にお腹が一杯になった。 評判どおり美味しかった。でも、よく考えてみたら、他の小龍包を食べたことがないのである。だから、ほんとうに他よりも美味しいのかどうかは不明。

豫園の入場券
金色で「豫園」と書いてあるがスキャナーでは読みとれない

お腹が一杯になったところで入園料金30元(=約450円)を払って豫園に入る。ここは名園らしい。とにかく石がたくさんあると聞いていたが、ほんとうに主役は石だった。 とは言っても、竜安寺の石庭には似ても似つかぬものだし、 どちらが好みかと問われれば、竜安寺だと答えざるを得ない。中国人とは感性が違うということがよくわかるという意味で、なかなか興味深かった。 ここはお金を払わなければならないせいか、中国人観光客がぐんと減り、相対的に日本人観光客が多かった。

豫園内には清潔なトイレがあった。用を済ませてから園外に出て、12時過ぎ、池の真ん中にある湖心亭という伝統茶館に向かった。時間が早いせいか、ガイドブックお薦めの2階の窓際は空いていた。 中国で一番の銘茶と言われる龍井茶を注文したら、98元(=約1470円)だった。ひぃ〜高いっ!! 
一応フォローすると、お湯はいくらでもつぎ足してくれるし、お茶請けもたくさん付いてるし、何より雰囲気が最高である。いにしえの中国の上流階級になった気分になれること請け合い。
でも高すぎる。1度来れば十分。


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