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えせバックパッカーの旅日記
冬の南仏プロヴァンス(10)

12月27日、サン・レミ・ド・プロヴァンス

サンレミにて サン・レミの「なるほどね」物件
アヴィニヨンのバスターミナルから 10時10分発のバスに乗ったのは私を含めて4人だった。

終点のサン・レミで下車し、インフォメに直行。 町の地図をくださいと言うと、ゴッホめぐり用の地図をくれた。

あとはこの地図に従って歩くだけなので楽勝である。 地図に番号が振られている場所にゴッホの絵のついたパネルが立っているのだ。 静かな田舎道というのは、ただのんびり歩くだけでも十分気持ちが良いものだが、 パネル1つ1つと景色を見比べて「なるほどねえ」と納得したり、「え〜っ、これが? どこが?!」と首をかしげたりするのは、予想以上に心浮き立つものだった。

これもサン・レミの「なるほどね」物件。
右上の逆光の写真は、文字通りめくらめっぽう撮った。

サンレミにて ゴッホが入院していた精神病院
コースをたどっていくと、 ゴッホが入院していた精神病院にたどりつく。

この精神病院だが、4ユーロ払って中を見る価値があるかどうかは、かなり微妙だと思う。ただ、窓越しに見える南仏の、あくまでも明るく、あくまでも暖かい風景が目にしみた。こんな景色を見られるのだったら、心の病などすぐに吹き飛んでしまいそうだ。

でも、ゴッホは癒されな かったのである。

ゴッホの病室が再現された部屋の隣りの 展示室には、当時の精神病院の実態に関する詳細な説明パネルがあった。

「入院患者の1日」という項目を読んでみると、 「毎朝6時に起床し、祈りをささげる。そして労働し、○時に朝食。労働。○時に昼食。労働。夕方の祈り・・・」という具合。
・・・ううむ。それだけかい。
サンレミにて 治療目的で使われた浴槽。
「患者を水に浸けると、もやもやした頭が すっきりする」という学説があったのだそうだ。 ブルブル。
まるで修道院じゃないか。
そんな生活で治る人というのは、もともと精神的にかなりタフなのではないか?
「現代だったらゴッホはどのような治療を受けたか」という項目は、専門用語がわからなかった。「もっと適切な治療を受けることができただろう」という主旨であることだけはわかったが、そんなことは読まなくてもわかるって(苦笑)

精神病院のさらに南にはローマ時代の遺跡があるのだが、これはあっさりカットし、北上して市街へ向かう。 もうお昼。サン・レミの中心街を一回りしてみたが、 開いているレストランなど見あたらなかったので、 13時10分のバスでアヴィニヨンに帰った。



アヴィニヨンの午後

というわけで、アヴィニヨンで昼ご飯。 昨日のレストランの並びにある、ノンストップの安レストランで8.5ユーロのPlat du jour。 今日のほうが多少手のこんだソースがかかっている。でもつけあわせはサラダ菜だけだったので、総合的には昨日のほうがよかったかも。

プティ・パレ美術館を見たあと、日本語の読めるネットカフェを求めて大学のある方向へと脇道に入ってみたら、中華料理店やベトナム料理店がかたまっている界隈に出た。 ここが実に風情があって、路地裏写真を撮ろうとしたのだが、早くも暮れようとしている短い冬の日の光のもとでは無駄な努力だった。

ネットカフェの後も、くねくねした路地裏をうろついた。
この町は裏通りが面白い。
しかし、相変わらず総菜屋が無い。
しかたがないのでピザを買って帰宅。

サンレミにて のどかなサン・レミ。行き交う人と「ボンジュール!」と言い合う、そんな田舎道。



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