"RotK" en France...and in U.K.
・・・・フランスとイギリスでの「王の帰還」三昧日記
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オババのRotKネタバレレビューはこちら 出発前 フランス中の映画館で何を上映しているかは、 Yahoo Franceで簡単に調べることができる。さて 今回、パリの映画館を調べてみて、 その数の多さに圧倒された。それにひきかえ、東京というのは、人口が1000万もあるのに、よくよく映画館が少ない町なのだなあ。 パリの場合、映画館自体が多いのだから、RotKを上映している映画館も山ほどある。 今回私が観ようとしているのは"version originale"(=原語版、すなわちフランス語字幕付き)だが、Yahoo Franceにはそのこともきちんと明記されている。 片端から旅行用メモ帳にメモり始めた私は、半分くらいのところでやめてしまった。 もうこれで十分。行きそうもない地域の映画館まで調べることはない。 2003年12月某日 午前中、お気に入りの美術館を再訪して時間をつぶし、 昼過ぎ、満を持してオペラ座界隈に向かう。 トイレのことを考え、昼食はとらないままだ。 オペラ座界隈には映画館が3つあるが、どれも1回目上映は昼過ぎで、しかも、 微妙に違う時間である。近くにはFNAC(=フランスの最大手の書店)の支店があり、LotKのメイキング本が平積みになっていた。 さらに、地下のDVD売り場のいちばん目立つ場所にTTTのポスターが貼ってあり、 SEEが山積みになっていた。 よしよし。
1時過ぎ、Gaumont Operaのチケット売り場に行くと、列が入り口の外まで溢れていた。 一瞬焦ったが、この行列はRotKを観る人だけではなかったし、 売り場のカウンターのそばに電光掲示板があり、各映画の残り座席数が表示されていた。 "Le Retour du Roi---413"。まだまだ大丈夫だ。 チケットを買い、トイレに行き、"RotK"の上映室に行くと、去年のニースの映画館と 同じく、ふかふかの椅子が待っていた。傾斜が急なので、前にいくら大きな人が座っても 画面が見えなくなる心配が無いことも、去年と同じ。 ほんと、フランスの映画館は素晴らしい。 観客数は、さすがに去年のニースよりは多い(ニースくんだりまで行って、 しかも天気がいいときに、映画館にシケこむ奴なんて、そうそういないってば。) が、それでもかなりすかすかである。 パリ中の映画館で上映しているのだから、 1館だけに集中するはずもないが。 1人で観に来ている人はどちらかというと大学生ぐらいの若者が中心で、 全体的に家族連れが多い。24日は休日ではないはずだが、午後は退社できるパパさんたちが 少なくないのかも。 やがて、去年と同じように、フランスっぽく中途半端な時間に宣伝が始まり、中途半端な間があった後、 本編が始まった。 TTTでも冒頭シーンにびっくり仰天させられたが、RotKも同じだった。 観客の興味を一気につかむPJの手腕には感心。でも、TTTの冒頭シーンのほうが好きだ。 やがて、台詞が聞こえた。ん? フランス語? そ、そんなあ・・・。 Yahoo France, しっかりしてよ〜。 (帰国後、再度確認したら、Gaumont Opera は"version francaise"となっていた。 どうやら私の勘違いだったようだ。) フランス語字幕の助けを借りて、台詞を完璧に理解しようという、当初の目論見はこれでおじゃんになってしまった。 でも、フロドの吹き替えは、イライジャ自身がフランス語をしゃべっているかのようにそっくりな声だし、 サムの吹き替えはショーン・アスティンよりも穏やかな声だ。悪くない。 残念なのは、セオデン(フランス語では「テオデン」)とガンダルフの声が甲高くて魅力に欠けること。 正直、感動がそがれてしまう。 去年初めてTTTを観たときは、あまりの改変のすごさに、驚愕することが多くて、 落ち着いて鑑賞できなかったのだが、今回のRotKは違った。 もちろん改変されているところはたくさんある。 でも、1回目にしては、私はかなり感動した。 (「1回目にしては」というのは、LotRは情報量が多いので、1回目はそれをすべて受け止めきれず、今までも、常に2回目以降のほうが、感動が深かったからである。) これはもしかしたらすごい映画かもしれない。 2003年12月某日 leiraniさん&そのお友達と指輪オフ。 彼女たちはロンドンでRotKを鑑賞し、LotR展も見てきたのである。東京でも会えるのに、 パリにまでやって来て、まったく何やってんでしょうねえ私たち。
11時、サン・ジェルマン・デ・プレ教会前で待ち合わせし、教会廻りの合間にカフェでお喋りしていたら、
時間はまたたく間に過ぎ去った。
2003年12月某日
今日はleiraniさんのお友達は フランス語吹き替え版を観に行くのだそうだ。 そこで私たち2人は、フランス国立図書館でやっている、 アラン・リーとジョン・ハウの指輪原画展に行くことにした。 一口に国立図書館と言っても、パリにはいくつもあるのだが、指輪 原画展は、 ベルシーという再開発地区にある、 「フランソワ・ミッテラン館」で開催されているらしい。この図書館は、なんでも 建築マニア必見の建物なのだそうだ。 私は自慢じゃないが(自慢してるって)パリは詳しい のだ(でも高級ホテルやブランド・ショッピングのことは知らない)が、 ベルシー地区も、フランソワ・ミッテラン館も 初めてなので、 指輪抜きでもかなり興味をそそられる。 地下鉄Quai de la gare駅を出て、図書館の方に向かうと、 私たちは猛烈な強風に襲われた。 セーヌの川風に高層ビル風が加わったもので、しかも今は冬、その冷たさときたらハンパじゃない。 北極探検以上だ。図書館に近づいてもひとけがなく、「ほんとにやってるのだろうか?」という不安がよぎったが、 やがて、アラン・リーの原画をもとにした大きな看板が見えてきた。おお、なんと美しい!! 図書館に入り、手荷物検査を受けて入る。 それらしきものが見あたらないので、 不安に駆られ、 "L'exposition du Seigneur des Anneaux, c'est bien ici?"(=「指輪物語」の展覧会はここですか)と 訊くと「ウィ!」との答え。 でも、いったいどこにあるんだろう。しばらくの間、きょろきょろうろうろして、ようやく見つけた。
正直なところ、 入場無料というから、たいしたことはないのだろうと思いこんでいたのだが、 いやいやとんでもない。私たちは夢中になって繊細な原画に見入った。 灰色港、ミナス・ティリスから始まり、最後は袋小路屋敷で終わる。 展示コースの途中数カ所に モニターが置かれており、フランスの指輪の権威 が熱く語っているさまを見せてくれている。 leiraniさんは袋小路屋敷の図面をノートに写し始めた。 それにしても最後が袋小路屋敷とは・・・。 ん? もしかして私たち、逆のほうから入ったの? そういえば、私たちの逆方向から来る人のほうが多いみたい。出口(つまりほんとうは入り口)のそばには売店があり、 フランス語版指輪物語やトールキンの評伝などが販売されていた。 ポスターもあった。これから移動する予定が無ければ、買ってもいいんだけどな。 私たちは売店で Uターンし、もう一度正しい順番でデッサンを見て、入ってきた口から出た。 この原画展、見所はと問われれば、「すべて」と答えるしかないが、個人的に「ツボ」だったのは、 先ほどあげた「袋小路屋敷の図面」と、 「ジョン・ハウ自身がどこまで伸びるかわからないまま、紙を継ぎ足しながら完成させたバラド・ドゥア」、そして 「兜をかぶったレゴラス」である。 日本でも、この展覧会、やってくれればいいのに。 フランスの国立図書館が、入場無料で開催できることを、日本でできないはずがないだろう。
その後、再び地下鉄に乗り、カルチエ・ラタンの 中世美術館に行った。 美しい角笛が展示されてあったので、 嬉しくなって近づいて見ると、その説明書きに、"oliphant"とあるではないか! これは指輪物語においては言うまでもなく「じゅう」のことである。 「フランス語版指輪物語」コーナーのために、いろいろ調べまくったとき、 この語が中世フランスの代表的伝承文学作品「ローランの歌」の中で角笛の意味で使われていることを知ったのだが、 このように、(固有名詞ではなく)普通名詞として用いられていたとは想像だにしていなかった。 思いがけない収穫である。 (帰国後、仏和辞典を引いたら"oliphant=olifant"とあり、"olifant"は「(中世の騎士が使った象牙の)角笛」と、書かれてあった。 なーんだ、普通名詞だったんじゃないの。 大騒ぎして「ローランの歌」を探し回ったり、英語の語源辞典を引く前に、 最初から仏和に当たっておけばよかったんだ・・・。) 中世美術館のグッズコーナーを ひやかしていたら、 「中世の要塞に暮らす」というようなタイトルの 小冊子を見つけた。 きれいな絵に心惹かれて ページをめくっていくと・・・おっおおおオルサンク! その脇には「指輪物語」の一節が引用されているではないか! この小冊子、迷ったけれど、買わなかった。 普通の指輪マニアだったら絶対に買っただろう。 私という人間は、かようにものを買わないのである。 だから、拙宅に来た人は 、外国みやげの少なさに、 みな一様に驚く。 2003年12月某日 夕方、パリのシャルル・ド・ゴール空港を発ち、ロンドン入り。
実はこの日、のんびりしすぎた。
シャルル・ド・ゴール空港に着いたのは、
出発25分前。息せき切って搭乗カウンターに行くと、「もうチェックインは終了です」
というわけで、予定よりも1時間遅れでロンドン着。
今日のホテルは(「も」と言うべきか?)フランス系。(別にフランス中華思想で選んだのではない。 いちばん割安だっただけのことである。)お陰でフランスのテレビが入り、 ついついそちらを見入ってしまうが、あわててイギリスのチャンネルに変える。 明日までに、少しでも耳を英語に慣らせておかなければ。 2003年12月某日 ここはフランス系ホテルだけあって、朝食はコンティネンタルだ。ほんとうのところ、朝食はだんぜん英国式が好きなんだけど。 「あのホテルはレストランが小さいから、朝食は 部屋に運んでもらうといい」という友人の 助言に従い、前夜にルームサービスを頼んでおいた。映画が始まるのが10時40分なのだから、ゆっくり朝食をとってもいいのだが、 トイレのことを考え、あえて、7時半に頼んだ。 ゆっくり荷物をパッキングし、チェックアウト。荷物を預けて、さて出撃だ。 10時頃にレスタースクエアのオデオンに着くと、すでにチケット売り場は開いていた。 「10時40分からの『王の帰還』は観られますか?」と訊くと、 「もちろん」との答え。そしてdownstairsとupstairsのどちらがいいかと訊かれた。 はたと悩んでしまうと、値段はおんなじだよ、と言われる。長時間画面を見上げるのは疲れるだろうと判断し、upstairsを選んだ。階段を上がったところにあるロビーでしばらくぼやぼやする。 平日の昼間であるせいか、観客の年齢層がかなり高く、中高年のカップルが目立つ。 日本人らしき男性二人連れがいた。 トイレに行ってから、座席に着く。 「イギリスの映画館はボロい」と聞いていたが、 ほんとうにボロい。 傾斜があまり無いので、前に大きな人が来たら、ちょっと観にくくなりそうだ・・・と思っていたら、 前に中年カップルが来た。恐れていたとおり、かなり大柄。でもまあ、画面はなんとか観られそう。 (言い忘れたが、イギリスの映画館は全席指定なので、好きなところに移動できないのである。) 宣伝が終わり、本編が始まった。 おっ、、、おもしろい!! やっぱりLotRは1回目より2回目が面白いんだ! 1回目に違和感を抱いたところのほとんどが、気にならなくなっていることに、我ながら驚く。 しかもここロンドンは周りの観客が違う。みんなが物語に深い思い入れを持っている。 セオデン王の死の場面では鼻をすする音がずーずー響いた。 もちろん私もずーずー。 そして、灰色港でも鼻ずーずー。この場面で泣けるのは原作ファンに決まってる。 みんな「ああフロドおおおおお・・・」と思ってるんだ。 そう思うとさらに泣けた。 ハンカチを持ってきてよかった。でも、ティッシュを持ってくるのを忘れていた。 この際は、こっちの人たちと同じように、ハンカチで鼻をかむしかない。 日本で公開されたら、ぜひとも吹き替え版を観たいと思った。 それも、何人かの指輪ファンと一緒に。 一緒に泣いてくださる方、ご連絡をお待ちしています。 イギリスの観客と一緒に泣けたのは嬉しかったが、 肩すかしをくらったこともある。 それは、みんなが笑わないこと。 アメリカでは大爆笑や大喝采のうずが巻き起こることが珍しくないと聞いていたので、 LotRには英語文化圏の人にとっての 笑いのツボがたくさんあるのではないかと思っていたのだが、 少なくとも私の周りの人たちはほとんど笑わなかった。 観客の年齢層が高かったせいなのかな。 1箇所だけ、どっと笑い声があがったところがあったが、それは英語文化圏限定のジョークではなく、パリでもウケていたし、日本でも間違いなくウケる場面だと思われる。笑い声があがったところはもう1箇所あったが、そこも日本でも笑うだろう。 それ以外には2回ぐらい「クスッ」という声が聞こえたが、それこそが英語のジョークだったのかもしれない。残念ながら、 台詞が聞き取れず、何が面白いのかわからなかった。 フランスではエンドロールのときに薄明るくなってしまい、とても居座っていられる雰囲気など無いのだが、 ロンドンでは、席を立つ人のほうが圧倒的に多いものの、残る人もかなりいて、 アラン・リー描くキャストのデッサンを見つめながら、余韻に浸ることができた。 音楽が終わった瞬間、館内が明るくなり、掃除機の音が響き渡った。 周囲を見回すと、ポップコーンが散乱していた。イギリス人というのは、 フランス人に比べたら、はるかにお行儀がいい国民だと思っていたのに、 映画館は汚すのね。 それとも涙をふくのに忙しくて、つい ポップコーンを取り落としてしまったのかしら。 この後、一目散にホテルに戻り、荷物を取ってヒースローに向かい、 搭乗手続きギリギリにチェックインカウンターに駆け込んだ。今日もお昼抜き。指輪道は厳しい。 |
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