"TTT" en France
・・・・フランスで観た「二つの塔」
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2002年12月24日 「ホテルで寝て過ごすことになるかもしれない」と思いながら、 ティッシュペーパーの箱を抱えて成田を発ったの はほんの2日前の22日のことだった。 それが昨日、カンヌ沖のサント・マルグリット島に3時間半いたところ、 劇的に体調が回復した。 「転地療養」というのは理にかなっているのだと実感。 まだ微熱は残っているが、 ニース近郊をのんびり歩く分にはそれほど問題は無さそうだ。 今日はバスでエズあたりに行ってみるか。 と、勇んでホテルの玄関を出たら、がーん!!! 雨が降っていた。 (私の部屋は裏庭に面した2階のため、今一つ外の様子がわからなかったのだ。) あわてて部屋に傘を取りに戻る。そして、瞬間的に決心した。こんな日は映画を観よう。 それもぜひフランス語吹き替え版を。 HPで「フランス語版指輪物語」なんていうコーナーを持っているからには、 原語よりも先にフランス語で観なくちゃならないのだ。 ヴィクトル・ユーゴー通りの映画館に着いたのは10時15分だった。 「ニースでいちばんスクリーンが大きい」と書いてある。知らなかった、ラッキーだな♪ LotR以外にも、4つか5つの映画を上映しているようだが、 午前中から公開しているのはTTTのみ。すごいなあ、そんなに人気あるんだ。 思わず「まだ席はありますか」などと訊いてしまう。 「ありますよ」という答え。よかった。 切符を買うときに気が付いたのだけれど、この映画(シリーズ)名は"Les anneaux"(=指輪) で通じる。そうよ、これが本当なのよねえ。 でも、日本の映画館で「指輪」と言っても通じない・・・。(;_;) 切符売りのおばさんに言われたとおり、2階に上がる。 ドキドキして入ると・・・・・なんと!! がらがらだった。唖然。 もう一つ、びっくりしたのは、座席の素晴らしさだった。 ゆったりしていて、ふかふかで、とても座り心地がいい。 500円足らずでこんなにいい椅子で観ることができるなんて。 こういうのを「本当の豊かさ」というのだろうか、、、などと考えつつ、ちょうど始まった宣伝を観る。 ちなみに、4ユーロは午前中のみの特別料金。午後は8ユーロになる。それでもたったの1000円なのよね。。。 10分の宣伝が終わると、中途半端な間が有った。 これがなんというか、実にフランス的だ。 じりじりして待っていると、 ようやく館内が暗くなる。"New Line Cinema presents"・・・・ん? 今のは"presente"だったみたい。 確か、アクサン記号も付いてたぞ。もしかして、タイトルは全部フランス語? そうなのである。 全部フランス語なのである。 あの金色のロゴも"The Lord of the Rings"ではなくて、 "Le Seigneur des Anneaux"なのだ。 ドイツで上映するのもドイツ語のタイトルなんだろうな。 アルファベットの国って、そういうところを考慮してもらえてうらやましい。 でも、ある程度メジャーな国ならいざ知らず、マイナーな国は英語のままなのだろうな。 LotRは北欧で人気が高いと聞いているけれど、ノルウェー語、デンマーク語、スウェーデン語それぞれの タイトルがあるのだろうか・・・? 本編が始まる。ん? なぜこういう映像から始まるの? 時々背筋に寒気 が走るのは、ドキドキハラハラのせいなのだろうか。 それとも熱があるせい? それとも、トイレに行きたいせい? ネタバレしたくないので、詳しいことは書きません。 とにかく、全編「ん?」「えーっ?」「おお、こうくるか!!」の連続でした。 あと、エルフ語のところだけは吹き替えではなくて、 いきなりリブ・○イラーの生声になるところががっかりでした。 アルウェンはフランス人の声優のほうが心地よいのです・・・。(爆) エルフ語も吹き替えにした日本語版は、世界的にみて、とても気合いが入ったものだったのかもね。 そうそう、「きっとDVDのスペシャル・エクステンディッド・エディションでは映像が追加されるだろう」と 思われるシーンがいくつも有りました。 絶対にSEEを買うぞ!!!って今から気が早すぎる?(笑) その夜、ホテルに戻ってテレビを観ていると、見覚えのある男の子が出ていた。 人形のような美形である。首や肩がかなり細いが、間違いない、イライジャ・ウッドだ。 2002年のクリスマス・イブは、こうして、イライジャとイルカのフリッパーとともに更けていくことになった。 イライジャはちょいとすねた少年サンディーを好演していた。 若いけれど、長年キャリアを積んだ、ベテラン俳優なのだなあとつくづく感心。 こういう日に放映するために彼の主演映画が選ばれるということは、 LotRによってフランスでもイライジャ人気が沸騰したということなのだろう。 私にとっては思いがけないクリスマスプレゼントだった。
2002年12月29日 明日早朝ニース発なので、実質的に今日が最後の日。 風邪もすっかり治ったし、 朝から素晴らしい天気だ。 こんな日に映画館にしけこんで3時間の映画を観ようなんて、 物好きにもほどがあるんじゃないかしら。やっめようかなー。。。 第一、TTTは戦いの場面ばっかりなのよねー。 原作からしてそうなんだから、文句を言う筋合いではない。 なにしろ、私がFotRで好きな場面はホビット庄や裂け谷だし、 お気に入りの俳優はイアン・ホルムとショーン・ビーンときてる。 元来、TTT向きな体質(?!)ではないのだ。 ・・・・・でも、やっぱり観よう。まだ原語で観ていないんだし。 今日の映画館はニースの超有名ホテルである「ネグレスコ」の裏手にある。 ここも午前中は4ユーロ。 前回、途中からトイレに行きたくて苦しい思いをしたので、今日は 直前にトイレに行くことにする。 館内は前回よりも入りが良い。でも座席は選び放題だが。 私の前の席に座る人がいたが、心配無用だった。 ふかふかの椅子のおかげか、前の人の頭が視界に飛び出てこない。 さて、タイトルが出た。あれ? 今回もフランス語だ。 本編が始まり、せりふを聞くと、せりふは間違いなく英語。 ゴラムの声を聞いたときはぞくぞくした。 フランス人の声優は、 声はそっくりだったけど、今思えば細かいところがいまいちだった。 日本語吹き替えの声優さんにはぜひ頑張ってほしいなあ。 今回も詳細は伏せるが、1回目よりも2回目のほうが断然面白かった。 その第一の理由は、「映画の筋」を把握していたため、スピーディーな展開に振り回されることがなく、 落ち着いて味わい、観察することができたということにある。 この映画は(FotR同様)1度観ただけではわからない。2度、3度と繰り返し観てこそ、 その本当の良さがわかってくるのだと思う。 きっと、日本公開後、いろいろなトールキンサイトが細かい解説をしてくれるだろうから、 さらに面白さが増すことだろう。 2回目のほうが面白かった理由はそれだけではない。実はもう一つあるのである。 それは字幕の存在である。驚いたことに(でも本当は驚くほうがおかしいのかもしれないが)、 フランス語の字幕は、吹き替えの台本そのままなのである。 つまり、とてもわかりやすい。 もしもFotRの日本語吹き替えがそのまま字幕であったなら、 内容を理解するのに、日本の観客があれほどの苦労をすることはなかったと思いませんか? たとえば「○○が××を○×した」という原語のせりふが、日本語字幕のように「○○が・・・」 というような意味不明な省略文(←これは戸○奈○子氏の得意技ですけどね)になることなど、決して無い。 すべてのせりふが構造的に完璧であるだけでなく、(おそらく)意味的にも完璧な訳文なのである。 これはなんと素晴らしいことだろうか。 白状すると、私は前回のフランス語吹き替えを完璧には聞き取れていなかったのだ。 原作を知っているから、だいたいはわかったけれど、 正確に聞き取れたのはせいぜい8割程度だったろう。 でも、今度は字幕に書かれているので、とてもよくわかる。 字幕を見て「そういうことを言っていたのか!」と感心し、唸る場面が たくさんあったのである。 映画館の外に出ると、ニースの空は抜けるほど青かった。 けれど、私の心にはこの青空を3時間分犠牲にしたことに対する後悔はなかった。 ただ感動で満たされていた。 最後に、RotKに関して私にはPJに一つだけお願いがあります。 いろいろ変えてもいいから、どうか「滅びの山」のクライマックスだけは変えないでくださいね!! |